リースや割賦を利用したホームページ制作費用の分割払いについて
「リースでやられた」「月に3万円で売り上げが上がるといわれた」
そんなお悩みを耳にすることがあります。
経営者のみなさん、きちんと勉強しましょう。そして商売においてそんな甘い話はないことを思い出してください。
一方で、そういう売り文句に乗せられてリースや割賦を悪とする、良くも悪くも営業行為を行ったことのない純粋な制作者側は「リースは詐欺!気を付けて!!リースに騙されたらダメ!」というとんでもない理屈の話をすることもあります。
残念ながら、こちらも根本的に間違えています。
一番悪いのは、「月に3万円ですよ」「売上が上がりますよ」「その費用の中にフルサポートついてますよ」と言って、リースや割賦であることを説明せずに適当に販売したリース売りの悪どい営業会社です。
その次に悪いのは、そんなことはあり得ないし、契約書も詳細な内容も理解しようとせず、最低限のリテラシーも勉強しないままに「良さそうだから」「頻繁に顔を出してくれるから」「資料がしっかりしているから」「3万円で面倒まで全部見てくれるって」「よく分からないけど月に3万ならいいか」というような、経営者が絶対にやってはいけない適当な判断をして、代表印をリース契約書にお気軽についてしまった経営者です。
リースや割賦は悪ではありません
そもそもリースや割賦は決して悪いものではありません。
車やコピー機を購入するとき、リースや分割ローンを利用するのではないでしょうか。
例えば150万円の車を購入する際、キャッシュフロー的に一括払いは少しきついからと、5年ローンやリースにするという判断をされる人は少なくないでしょう。
理屈はほぼ同じです。
ただし、本来リースは役務(物品ではなく人工、いわゆる人件費原価の商売)であるホームページ制作には利用できません。
しかし販売する側の知恵と過去の事例から、例えばPCと販売管理ソフトなどの業務用システムを販売する場合でも、保守5年分などをまとめてリースに含めて販売するケースは昔からあります。
例えばそれが100万円の総額で、内訳は以下のようになります。
普通のPC | 20万円 |
パッケージソフト | 30万円 |
導入設定費 | 10万円 |
レクチャー費2回 | 10万円 |
5年間のバージョンアップ保守費用 | 30万円 |
リース(料率2%の場合) 月額2万円(5年リース)となります。
悪どい営業会社のほうが多いと言われることもある通機業界なので、「役務などは省いてください」とリース会社も以前から営業会社に言っています。
しかし、それでは売る側も買う側も正直とても面倒なのです。リース会社としてもそこをあまりにも縛り上げては売上が下がってしまいます。
分割で払いたいということは、普通は「全部まとめて月いくら?」という計算をするほうが単純明快ですし、昔から中小企業はこういった形でシステムなどを導入してきている慣例があります。
現実として、妥当と思われる役務はリースに取りまとめているのが現状です。
「ホームページを作ります」という商売も20年以上前からありますが、多くのBtoBの通信機器営業会社(コピー機・電話機・システムなど)=営業バリバリ会社などが制作自体は下請け制作会社やフリーランスを安く使って、コピー機や電話機を売るように、実態としてはほぼ役務であるWEB制作をリースで販売してきた歴史と経緯があります。
「なぜそんなことができたか?」というと、現在は広く普及し今時のホームページ制作では一般的に使われるCMS(Contents Management System)という、簡単に言えばブログ機能のようなシステムがソフトウェアとして開発され、それがリースに利用されたのです。
そしてそのベースとなるムーバブルタイプ(Movable Type、通称MT)と言われる有償のCMSソフトウェアが、OEMのような形で簡単にカスタムして自社商品CMSソフトウェアとして簡単に販売できたのです(今でもありますし、できますよ)。
MTの会社と販売会社のライセンス契約についての詳細は不明ですが、このMTのベースとなるソフトは誰でも当時1サイト5万円ぐらいで導入できました。
これを自社商品としてOEMのようにして、例えば『売上あがる君』のように適当な名前をつけて25万とか100万とか好きな値段で販売していたのです。
MTのままだと定価もありますし、名前が知れているのでベースが5万円程度ということがすぐにバレてしまうからです。
経理ソフトや販売管理ソフトのパッケージがたくさんありますが、当時はホームページについてもこれらと同様のリース扱いができたのです。
- Movable Typeはとても優れた素晴らしいCMS商品です。ここでは事例として悪い方向に転用された事実を上げただけで、それ自体は何も悪くありません。
例えば月3万円のリースの場合、その内訳は以下のようになります。
普通のPC | 30万円 |
Movable TypeベースCMSパッケージソフト |
120万円 (制作は下請に丸投げ20万円、Movable Typeライセンス費用5万円以下想定、営業さんの粗利95万円) |
5年間のサポート費用 |
口頭で無料という (ここもよく問題になりますが、実際には無料のサポートが含まれることはありません。そもそも原則としてリースに保守やサポートは含めてはいけません) |
- 上記に加え、別途サーバー代:3,000円/月
5年リース(料率2%の場合)一括売上高150万円(リース会社から販売会社に検収後すぐに支払われます)ということになります。
つまり、150万円のものをリースで5年間・月額3万円ということです。
ホームページの制作業はピンキリが激しいです。「どれを信じていいか分からない」とよく相談されます。
絶対にダメなのは、電話営業などからリース推奨一辺倒の会社です。このような会社の実態はただの営業会社ですので、ほとんどの場合まともなホームページが出来上がるはずがありません。
自分で「自分の地域+ホームページ制作会社」等で検索して、上位に出てきた制作会社の制作実績や料金などホームページの内容を良く読んで選べば、変な会社を避けることはさほど難しくないはずです。
きちんとした組織で真面目にWEB制作に取り組んでいるホームページ制作会社が制作をすれば、初期費用で100万円以上かかるのは当然のことです。
もちろん、規模や内容によっては30万~50万でも可能です。
メディアクロスでは20万円で制作したこともありますし、初期費用に500万円を投じるホームページ制作を受託したこともあります。
大切なのは『その制作物が金額と見合った内容になっているか?』
多くの「リースで騙された」と言っている方は、例えば「初期費用100万、現金払いです」とお伝えすると、「高い!」「ぼったくりじゃないの?」「ホームページなんて10万でも高くない?」と平然と言われます。
その感覚こそが騙される一因なのです。
インターネットが一般的になった現在、少し検索すればホームページ制作にどのくらいの費用が必要となるかを調べることは難しくありません。
にもかかわらず、ものづくりの最低限の原価を計算できない。
制作会社と営業会社の基本的な違いを知ろうとしない。
そのようなリテラシーの低い経営者の方は、とりあえず「月3万円で売上が上がる」と言われると、途中で解約できないとか、売上が上がる保証はないとか、そのような不都合な情報は営業が口頭で嘘をついたり、もしくはうまく流されていることに気付かずに簡単に受け入れてしまうのです。
「いい勉強になった」「次からは気をつけてちゃんとしたものを作ろう」と思えれば良いのですが、こういう方は何も調べなかった自分の責任を棚に上げて「詐欺だ」と平然と訴えます。
もちろん訴えることは自由ですが、リース契約を残額なしや返金をもって解約するにはかなりの労力がかかります。
営業との会話や契約時の録音などがなければ立証することも非常に困難です。
巧みな営業トークに乗せられる前に、経営者ご自身も代表印の重みをよくよく考える必要があるのです。
前述のように、裁判などのトラブルが多く出てきたため、現在ではほとんどのリース会社はWEBサイト制作をリースで取り扱ってくれません。
しかしメディアクロスでは「初期費用〇万円かかります。リース予審が通るなら分割払いでも可能です」ときちんと説明し、お客様の事故も当然ありませんので、今でもごく一部ですが特別に取り扱いが許されています。
ただし「あくまでもこの見積もりにあるように〇万円かかる費用を5年間で分割払いする、車のローン等と同様のものになります。もし途中解約したい場合であっても初期費用を分割していますので、残金は支払う必要があります」という説明を書面でも口頭(録音)でもいただいてからリースや割賦契約を行います。
もちろん、維持費や保守費、サポート費などは別途ご案内いたします。
「5年リースを組んで、他に費用を発生させたくない」というご要望であれば、メディアクロスは納品後は一切面倒みません。
納品後の保守・管理・運用については初期費用とは別にサポート契約を結び、それに沿ったサポートを行ってまいります。
もちろん「作っただけで売上が上がります」といったような適当な発言は絶対に行いません。
そしてお客様にも、「売上が上がるなどといった発言はなかったですか?」という確認書類を読み上げ、書面にチェックをいただき署名捺印を頂戴しています。
その際の会話は録音させていただいております。
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リースや割賦をされたい場合は、リース会社の与信、審査があります。
個人事業や赤字企業では通らない場合が多いです。
商談がまとまってから与信では遅いため、事前にリースも考えていることをお伝えください。
商談とは別に与信だけ先行して、そもそも分割払いができるのかどうかを確認しておいてください。 -
弊社独自の分割払いは行っておりません。ただし、例えば初期費用のうち、着手時に80%、納品時に残金をご入金いただくということは可能です。
(例:初期費用100万円・5月20日契約・制作期間2ヵ月の場合、5月中に80万円、7月末の納品時に20万円 など) -
豆知識:100万円前後以下の普通のホームページは広告費で一括計上している場合が多いです(要税理士相談)。
100万円でも通常のホームページなら一括で処理できますので、リースにして定額で経費として処理するという節税効果という観点では意味がありません。
むしろ料率分が高くなってしまいますので、単純に「制作費〇万円を現金払いするとキャッシュフローが…」という方向けです。 - リース用にPCなども必要となりますので、分割払いしたい方に一番おすすめなのは、国金等に「ホームページを作って集客し、事業のてこ入れをはかりたい!」と正直に申請して借り入れをすることです。この場合は料率も低く、リース用のPCやソフトも不要です。ただし、事業計画書を用意したり、足を運んで面談したり、色々と手間はかかります。
効果のあるホームページをつくりたいなら
効果のあるホームページをつくろうと考えたならば、まずはご自身でWEB制作専門の会社を探して、2~3社は説明を聞いて、その上で判断しましょう。
「月3万円!」で騙された経験のある経営者の方、今度はまっとうな制作会社を探して初期費用100万円かけて制作を依頼してみてください。場合によっては80万円でも50万円でもかまいません(それでも以前よりは根本的に異なるものができるはずです)。
当然、まともなサポートが欲しければ他にも保守費やサポート費、マーケティング費が必要となります。きちんとした制作会社であれば、契約期間(多くの場合1年間)や費用に加えて、どのようなサポート内容か、どこまで保証するか等を明記しています。
「予算感が全然分からないから0ベースで提案して」だったり「業者なんて呼ぶだけ呼んで聞き逃げすればいい」というような考えをされる方は制作会社から敬遠されます。
制作会社のスタッフに来てもらって営業行為(ヒアリング)を受けるにあたって、耳当たりの良いことばかりは言わないでしょう。
その代わり、まっとうな制作会社は営業会社のような多額の利益を含んだ見積もりは出しません。
100万円前後以下の初期制作費の場合、まともな制作会社ではほとんど人件費と経費と多少の粗利ぐらいです。
制作会社の方から営業したわけでもなく、困っている方に呼ばれて、自分たちのクリエイティブやWEB集客技術でお役に立ちたいと考えてお伺いしているはずです。
だからこそ、飛び込みで来た「買ってくれ買ってくれ」の業者のような扱いではなく、頼れる専門家として、パートナーとして扱うことが大切です。
まともに制作をすれば、最低限の効果が出てくるものです。ほとんどの場合、以前とはまったく違う効果が見込めるでしょう。WEBの世界はあなたが思っている以上に広大で、あなたのサービスを探している見込み客がいるのです。
- 何社か聞くのは大切ですが、5社も10社も呼んでは営業系の会社しか相手にしてくれません。
例:月3万円のリースの場合の内訳(リース料率2%で計算した場合)
メディアクロスの場合 | リース売りの営業会社等 | |
各種制作費等 |
135万円 ディレクションやデザイン・コーディングやCMS導入の他、撮影なども含む、ベーシックプランのフルオプションが可能 |
最大30万円程度 すべて下請けに丸投げすることが多い、ディレクションは営業担当が片手間にやることも。 |
リース用PCやソフトウェア | 15万円 PC本体15万(参考)のみ |
20万円 PC本体15万(参考)+オリジナルCMSソフト原価5万円 |
企画制作費等以外の粗利益 | 0円 制作費としての単価に含まれています |
90万円 営業担当が会社に評価される粗利益額 |
合計 | 150万円 | 150万円 |
- 販売会社の売上高は150万円となります。納品後にすぐにリース会社から販売した会社に一括で振り込まれます。
- 上記はあくまで一例です。
ご相談は問い合わせページよりご連絡ください
弊社は営業スタッフのいない制作会社です。相談の結果、適切な予算が折り合えば、制作費を頂戴してより良いホームページを制作することを商売としております。
「ただ相談したいだけ」「相談しても絶対頼まないけど」などの問い合わせはご遠慮ください。
また、すべて代表コンサルタントが内容を把握、精査した上で対応を判断しております。
「何様だ」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、電話でいきなり名乗りもせずに「フリーに30万で作らせたら、途中で逃げて連絡つかないんだけどおかしくないですか?契約書?ありませんよ。おかしくないですか?」というような話を延々とされた挙句、最終的に「弊社でお請けするなら〇万円ほどかかりますが、いかがですか」とお伝えすると「もうそんなお金ないんです」と言われる方や、そもそも弁護士にご相談すべき内容なども数多く来ますので、そういった方へ向けて書いております。
一般的な経営者の方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
弊社代表がWEBのリース問題に詳しいため、士業の方からもアドバイスのお問い合わせを頂戴することがありますが、弊社は制作会社です。
まずはメールやお問い合わせフォームからご相談ください。
また、弁護士先生と同様、ご相談に対応する場合はそれなりの費用が必要となることをご了承ください。